羊毛を紡ぐ
村人達が紡いでいる羊毛はこんな感じでふわふわしています。
でも、刈ったばかりの羊毛はこんな感じ。
洗って乾かすだけではふわふわにはならないし、羊毛に絡みついた細かいごみは落ちません。
実は、ここからふわふわの羊毛にするまでの過程は機械を使ってやるのですが(町に機械があるので、乾かした羊毛を持っていって機械にかける)、日本人の友達に教えてもらって手作業でのやり方を教えてもらいました。
ハンドカーダーという2つセットの櫛で羊毛をはさみ、空気をふくませながらブラッシングします。この過程でごみが落ちます。
ヒマラヤでも20年ほど前まではこのような櫛を使っていたそうなのですが、機械が出始めてから手作業でごみ取りをする人はいなくなり、櫛を求めて市場を探し回ったのですが、どこにも見つかりませんでした。
写真のものは友人が持っているニュージーランド製のハンドカーダー。
ふくらませた羊毛を、スピンドルや糸車で縒りをかけながら糸にします。
写真は、私の初紡ぎ。右上から左下に、少しずつ上達しているのが分かるでしょうか・・・。
この後、糸を双糸にして蒸す、という作業になるのらしいのですが、今は羊毛を糸にするまでを修行中。
縒りの強さ、糸の太さを一定にしながら毛糸を紡ぐには本当に難しい。
自分で紡いでみると、村人たちの紡ぐ速さや正確さが信じられない。神業としか思えません。
羊飼いの家系に生まれた人々は、物心ついた頃から糸紡ぎをやっていたそうです。